会社で健康づくりを始めても、最初の呼びかけだけで終わってしまう。そんな状況を変えるには、特別なイベントを増やすより、普段の仕事の中に続けられるきっかけをつくることが大切です。
社員の健康を大切にしたいと思っていても、実際の取り組み方が決まらなければ、忙しい毎日の中で後回しになりがちです。一方、社員の中には、多少の疲れや体の張りを「いつものこと」と受け止め、今はケアの必要性を感じていない人もいるでしょう。
だからこそ、社員の意識が変わるのを待つのではなく、会社から健康づくりのきっかけを届けていく。今回は、仕事とのバランスを考えながら、職場でケアの習慣を育てる3つの工夫を紹介します。
1.会社から、健康づくりのきっかけをつくる
「健康のために運動しましょう」と呼びかけるだけでは、何から始めればよいのか分からない社員もいます。最初の一歩は、会社が具体的に示した方が動きやすくなります。
例えば、朝礼や社内のお知らせで「今月は肩や背中を動かす簡単な方法を紹介します」と伝える。管理職も内容を知り、取り組みを前向きに後押しする。そんな小さな働きかけが、健康づくりを身近なものにします。
会社ができること
呼びかけを、始められる形にする
「健康に気をつけましょう」ではなく、「今月はこの動きを覚えてみよう」と具体的な入口を用意する。会社が関心を持ち、率先して応援する姿勢を示します。
健康づくりを、社員の自主性だけに任せないことが最初の工夫です。
2.仕事の流れに合うタイミングを考える
続けるために、毎回まとまった時間や特別な場所が必要とは限りません。仕事内容に合わせて、短く体を動かせる場面を見つけます。
デスクワーク
会議が終わった後や作業の切り替え時に、立ち上がって肩や背中を軽く動かす。
製造現場・立ち仕事
作業を安全に止められる休憩のタイミングで、姿勢を整えたり体を軽く動かしたりする。
外回り・車移動
移動を終えて安全な場所で休憩するときに、短く歩いたり体をほぐしたりする。
大切なのは、全員に同じやり方を当てはめることではありません。現場の安全、業務の進行、社員の体調に配慮しながら、無理なく続けやすい形を考えることです。
会社が仕事とのバランスを整え、健康づくりを積極的に後押しする。その姿勢があれば、体を動かすことを職場の日常に取り入れやすくなります。
3.少しずつ覚え、自分でケアできるようにする
会社がきっかけをつくることは入口です。その先では、社員ひとりひとりが自分に合う動きを覚え、必要な場面で使えるようになることを目指します。
最初からたくさん覚える必要はありません。まずは一つの動きを知り、仕事や体の状態に合わせて試す。次に別の動きを覚える。できることを少しずつ増やしていけば、毎回誰かに教えてもらわなくても、自分で選べるようになっていきます。
継続の考え方
一度きりの体験で終わらせない
新しい動きを知る機会を継続してつくり、覚えた方法を日頃のケアに使えるようにする。実施回数や参加率を競うよりも、「自分でできることが増えていく」ことを大切にします。
まずは、今週からできる一歩を
新しい制度をつくる前に、次の3つを考えるだけでも始め方が具体的になります。
① 会社からの働きかけ:今月、社員に紹介する簡単な動きやケアを一つ決める。
② 仕事との両立:職種ごとに、安全に取り組めるタイミングを考える。
③ 続ける工夫:一度紹介して終わりにせず、次の機会にも新しい方法を伝える。
社員任せにも、会社からの一度きりの呼びかけにもならない。会社がきっかけをつくり、仕事に合う形で続ける中で、社員自身がケアの方法を身につけていく。そんな職場を少しずつ増やしていきたいと考えています。
健康づくりを、職場で続く習慣に。「会社で5分」
オフィス体育の時間の「会社で5分」は、「老けない・疲れにくい・痛めにくい」体づくりを大切にしながら、社員ひとりひとりが自分で体をケアできるようになることを目指す、法人向けの仕組みです。
毎月2種類の体操をA4シートとQR解説動画で紹介し、少しずつできるケアを増やしていきます。「5分」は健康習慣を育てるための時間の目安です。会社が取り組みを後押しし、社員が自分で実践できる状態を目指します。
「会社で5分」の内容を見る体を動かす際は、作業の安全と体調に配慮し、無理のない範囲で取り組んでください。痛みが強い場合や症状が続く場合は、医療専門職に相談してください。